南国英雄

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「最南の軍には雷を使う者がいて、悪魔皇帝はそのものに手こずっているようです」 海路を進む戦艦の一室。 南国の兵団の主だったものは地図を広げて集めた情報を教えるアランを囲んでいた。 「私には、その者が三英雄と呼ばれるものなのか分かりませんが、その者もまたリザ様と同じく子供であるということです」 「対話は出来なかったの?」 リザの問いにアランは頷く。 「私ら南国からしては未開の地です。広い大陸の何処に使者を送ればいいか皆目、見当もつかないので」 「ということはゲリラ戦法を得意としているのか?」 モタの言葉にアランが笑顔を見せる。 「その通りです。悪魔皇帝の軍が手こずるのも拠点が分からないからでしょう。雷を扱うことは分かりましたが、その他はすべて謎です」 この世界は、一度世界中が交流結び精巧な地図が作られた。 だが、過去のことだ。 地図があるが人が分からない。 南国の面々は頭を抱える。
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