南国英雄

3/24
81人が本棚に入れています
本棚に追加
/528ページ
「敵であるか味方であるかも分からないとはな……」 ムエルがぼそりと言う。 「わしが先立って交渉にたちましょうか?」 「駄目だよ!」 ムトの提案は、即座にリザに止められる。 「そんな危険な橋を渡らなくてもいいよ!」 南国の面々は、先行きが見えなく浮き足立つ。 その中、モタが口を開いた。 「アラン。悪魔皇帝の軍と最南の大陸の軍がぶつかった海は分かるか?」 「調べてあります」 「よし!悪魔皇帝の軍の進路とは別なところから上陸しよう。あと、土地のものに南国の兵団が上陸するって噂を流すことは可能か?」 「そのくらいなら容易くできます。敵意がないことを伝えるのですね?」 「ああ。すべてが謎だが、俺らが悪魔皇帝討伐の遠征軍であることを地域住民の耳に入れるんだ。謎ではあるがゆくゆくは協力してもらわないといけない。大義があることを示すんだ」
/528ページ

最初のコメントを投稿しよう!