灼熱の炎天使~ヴァルカネル~

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学校内は中世のヨーロッパのような雰囲気で中々に落ち着いた感じだ。 木々も立ち並び、外の町とは違う建物と自然の調和の取れた良い町並みらしい。 (今日から俺もこれの仲間入りかぁ) 誰もが憧れる学校の一つに入れるというのは優越感に浸れ自然と顔がにやけてしまった。 いけない、と顔を振り出来るだけ普通の顔で散策再開。 今歩いている大通りは、門から学校、寮、闘技場へと繋がるメインストリートとなっているらしい。パンフレットにはそう書いてある。 この道が学校に続いていることはパンフレットを見なくても分かる。 なんせ学校がデカイから木々を通しても飛びぬけている。 横にもデカイが縦にもデカイ。それが魔法学校の校舎の特徴とも言えるだろう。 東京都の面積の三分の一、学校としてはおかしいくらいの位の広さを持ち国から出る資金は何に使っていいか分からなくなる位に莫大。 しかし、過去には無い、そして現代には必要な魔法を教える教育機関としては妥当なのだろう。 そんなこんなを思っていると、広場らしきところに出た。 ここは学校で必要な物や、友達との団欒を楽しむスペースとして使われているらしい。 パンフには楽しそうにクレープを食べる女子生徒の姿が映されているが、今はそれとは真逆の空気が流れていた。 その空気の中心を見てみると二人の生徒が対立しており、それを囲むように野次馬が集まっていた。 「喧嘩か?」 俺はその輪に近づいた。
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