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最初に彼女と知り合ったのは、高二の夏。
一学期期末試験のテスト週間。
生徒会で知り合い、毎日共に放課後を過ごす内にすっかり馴染みの“ツレ”となった友人二人と、図書室でテスト勉強に励んでいた時だった。
「テスト週間。それがあるのは大いに構わないよ。毎日お祭りかってほどの賑わいを見せる我らが苗代学園が、この時だけは少しばかり静かになるからね。もちろん、僕はお祭り騒ぎが嫌いじゃない。むしろ大好物だけれど、流石に毎日夕食に大好物を出されても、敵わないからね」
「わかるわぁ~。カレーは大好きやけど、作り過ぎて三日連続カレーってのはちょっとキツイもんなぁ」
「だけどね、僕が納得いかないのは、何でテスト週間にはいつも課題が出るんだってことなのさ。せっかく一週間生徒会活動もなくて早く帰れるのに、この大量の課題のせいで遊ぶ時間が減るじゃないか」
「せやなぁ。うちら別に勉強なんかわざわざせんでも、テストで赤点取ることはないのになぁ」
「ははは、やっぱり玲さんは面白いね。そんな赤点さえ取らなければいいみたいな考え方してるのに、どうして毎回学年一位の成績なんだい?」
「そういう翔にぃも、うちと成績はほとんど変わらんやん?前回は確か二位やったっけ?」
そんなある意味頭のおかしい会話の果てに、何が可笑しいのか二人は声を上げて笑いだした。
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