プロローグ

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とても皮肉な話だよ。 生まれてから人殺しばかりをしてきたバケモノの目の前で、餌が餌同士で殺し合う。 考えられない… と、言いたいとこだけど… 実際人間は、何千にも渡って戦や争いやらを起こす。 その癖、俺らバケモノが1人人間を殺しただけで、皆がバケモノ扱いし、俺らを殺しにくる。 その隣では敵軍の何人かを殺した兵士が讃えられる。 だから俺は一時、人間殺しに明け暮れた。 そんな時に出会ったのが、兄貴だった。 兄貴は身知らずの俺を救った。 『人間を殺しても、意味などないだろう?』 『俺は…お前をバケモノだとは思わねぇ…寧ろ、守ってやりたいと思う。』 兄貴は人間だ。 だから俺よりも弱くてちっぽけな存在…そして人間である。 でも、俺にはない何かを持っていた。
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