忘れられし島国フォルトゥナ

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「極東支部所属の西園ヤクモ少尉だ。本日よりこちらフォルトゥナ支部に転属になる。これからよろしく頼む」 ヤクモはアナグラのゲートを開けてエントランスに入るなり、簡単な挨拶を済ませた。 「ようこそ新型。俺は第一部隊長のアルト・バレストだ。フォルトゥナはなにも無いけど、楽しい観光ツアーになるように手配させてもらうよ」 ヤクモを迎えた男、アルトは余裕を持っていながらもどこか気迫に溢れていた。 部隊長とはみんなこうなのか……ヤクモは極東の第一部隊長を思い出しながら軽くため息をつく。 それはともかく、アルトを尻目にざっと見回してみたがフォルトゥナのアナグラも極東のそれとは大差ない。 エントランスにはゴッドイーターが扱う情報端末のターミナル、別階層に移動するエレベータ、ゴッドイーターをサポートするオペレーター。 「慣れない環境よりはこっちの方がいいか」 「何か言ったか?」 「いや、別に」 「そうか。なら支部長に会って来い。場所は役員階層の右手の部屋だ」 支部長と聞くとあまり良い気分にはなれない。 極東にはある騒動を起こした支部長がいた。 求める先はゴッドイーターと同じだったのに、いったいどこで間違ってしまったのか……いや、彼が間違っていたかどうかもわからない。 ただ最後にアラガミとして堕ちてしまったことだけは間違いだ。そう言い切れる……そう言い切りたい。
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