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その日訓練を終えた我々剣部隊先遣隊四名は愛機を整備班に預け宿舎へ向かった。 四名とは、剣部隊隊長を務める空軍大尉 坂井一郎 剣一番機、 二等飛行兵曹 小原 満男 剣二番機、 三等飛行兵曹 朝比奈俊男 剣四番機、 部隊先任下士官 一等飛行兵曹で剣三番機を預かるこの俺だ。 皆、技量一級、激戦をくぐりぬけて来た猛者達だ。 途中、隊長が司令への報告の為俺達と別れた後俺達三人は宿舎へ戻り今日の訓練談義に花を咲かせた。 「しかし、隊長の切り返しにはいつもながらほれぼれするな~。」 と隊長の僚機の小原二飛曹が言うと 「いやいや、うちの先任の食付きもなかなかのもんでしたよ!」 と俺の僚機の朝比奈三飛曹がやり返した。 今、帝国空軍の飛行隊の編成は、二機で一組となり先行する機の後方を僚機が警戒して先行機を攻撃に集中させるロッテ方式を採用し、これを二組合わせて一小隊とし、三個小隊で一個中隊、二~四個中隊で一個飛行隊としていた。 「ま、いずれにしても震電改を装備した我が剣部隊の前ではいかに超空の悪魔といえども無事では済まんさ。」 と俺達三人の訓練談義に司令への報告を終えた隊長が割り込んで来た。 隊長を交えた訓練談義は夜遅くまで続いた。
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