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その搭乗員が手信号を送って来た。
ワレテキクウボゲキハス
俺達は手を突き上げて喜んで答えた。
キカンノユウセンニワレカンゲキス
すると搭乗員はこういってきた。
キブタイハワガクウグンノホコリナリ
俺はそれを見て目頭が熱くなった。
銀河と震電改は巡航速度が違う為に我々はその銀河部隊に別れを告げ、基地へと向かったが、あの事はいつまでも俺の脳裏に深く刻み込まれていた。
その後我々は無事にサイパン島に着陸し再度、補給を受ける為愛機を整備班に預け、坂井隊長は司令部へ、我々は搭乗員待機所に向かった。
そこには戦闘配食が用意されていて俺達はそれに群がり握り飯をほおばった。
もう昼過ぎになっており腹の虫が鳴っていたのだ。
そこに中島班長が入ってきて大沢大尉に話しかけた。
「どうですかな、敵の様子は。」
「いや、それが急に手応えが無くなってきましたわ。」
「やはり、そうでしたか!」
「と言いますと?」
「初出撃の時に比べて被弾した機が少なくなったもんで、あるいはと思いましてな。」
「さすが班長、わかりましたか!」
事実、二回目に出撃した剣部隊は全機、無事に帰投したのであった。
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