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我々、剣部隊は第一航空打撃軍、第二次攻撃隊の露払いとなるべく大編隊の先頭に立った。 角田中将はこの第二次攻撃隊にその持てる戦力の全てを注ぎ込み勝負に出たのであった。 敵機動部隊の情報は触接中の彩雲から逐次送られて来ていた。 それによると、四群の敵機動部隊の内二群はサイパン島より東南東約三百kmの位置に有り、その内一群は四隻の正規空母が攻撃隊の収容中で、もう一群は三隻の正規空母から盛んに艦載機を発進させているとの事である。 他の無傷の敵機動部隊はより東に有り、帝国海軍の小沢機動部隊が攻撃中であった。 我々、第二次攻撃隊の第一目標は艦載機収容中の四隻の正規空母群である。 まずはこれを叩きマリアナ諸島へのこれ以上の攻撃隊を送り出させぬようにしなければならなかった。 我々が敵機動部隊まで後、百kmに近づいた時に艦隊護衛のため、哨戒飛行中の敵艦戦F6Fヘルキャット六十機が眼前に現れた。 露払い役の、我ら震電改戦闘機隊の出番である。 「剣、剣、こちら剣一番。突撃隊形作れッ!」 「了解ッ!」 我々は、坂井隊長機を先頭に楔形の陣形を採り、敵編隊へと突っ込んで行った!
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