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「―――――――」
そんなある時、耳というよりも頭に響く声がして顔をむけると、やけにカラスが集まっている。
よく見ると、道路をはさんで向かい側の草が、ごそごそ動いていた。
好奇心にかられて、自然に足がそちらにむいていた。
じっと見ていると、モコモコしたものが姿を現す。
やがて完全に草から出てきたそのモコモコは、ちょこちょこ歩いたかと思うと道の窪みにひっかかり、コロンと仰向けにひっくり返った。
驚いたのか、そのまま硬直したように動かない。
やがて桜と目があうと、お腹を見せたまま鼻でスンスン鳴いた。
気が付くと、そのこを腕に抱いて家に走っていた。
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