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その瞬間、じわりと胸が熱くなった。
何だろうとジャージの中を覗き込むと、お守り袋から光が漏れている。
(ふぇ?)
なんだなんだと、あわてて袋を取り出そうとした時、ズキッと痛みがはしる。
見ると、テトが人差し指に噛み付いていた。
わぉ、まさしく映画みたい、と痛みを忘れて喜んでいた桜だったが、次第に身体が重くしびれてくるのに気が付いた。
(な・・・に・・・。)
徐々に、周りの景色が白く霞んでいく。
やっぱり公園に入るんじゃなかった。
(合宿、遅刻しちゃうな。)
そこまでで、桜の意識は途絶えた。
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