プロローグ

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リズミカルに打ち続ける音の中、身動きせずに思考する。 (何してたんだっけ・・・。マロの散歩じゃなかったような・・) どうしてもほんの少し前の事が、思い出せない。 というか、いい加減この体勢もきつくなってきた。 ごろりと、仰向けになってみる。 多少身体がきしむものの、どこかが傷ついている様子はない。 下敷きになっていた草が水分を含んでいたためか、若干服が湿っている。が、風に当たるとすぐ乾いてしまう。 厚く重なった雲が、今にも落ちてきそうな程近くに見える。 気持ち良く晴れ渡った空から麗らかな陽光がふり、緑を明るく照らしていた。 思わず、今おかれている状況を無視して、眠ってしまいそうだ。 マロは、そんな不遜な事を考えているご主人様に飽きずに傍らにいる。 見事な忠犬ぶりだ。 (ところで・・) 上半身だけをガバッと起こし、辺りをみわたして呟く。 「ここ、どこ?」
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