第一章~Sweet Summer~

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本条が撫子を連れて行ってくれたおかげで暁は真里と二人になれた。 好みのタイプは南部賢人かもしれないが、午後からの時間で俺に振り向かせて見せる。 そう意気込んで午前中、乗れなかったジェットコースターに乗ったり、ホラーハウスに入ったりして真里もそれなりに楽しんでくれたようだ。 本条の言っていた吊り橋効果というのが効いているのか真里との距離も少し近くなったような気がする。 だが、時間を見てこれが最後になるかなと思って選んだ観覧車が悪かった。 最初の方は下に見えるアトラクションを見ながら、「あっ!アレ乗ったね。」とか、「やっぱりメリーゴーランド乗ってるの子供ばっかだよ。」とか言ってそこそこ盛り上がっていたのだが、頂上付近に上がった時には話題が尽きてしまっていた。 ひどく長く感じる残り半周が終わる頃には近づいたと思った真里との距離はまた遠くなっていた。
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