第一章~Sweet Summer~

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「えっ?何でッスか?」 富士の言葉に撫子が本当に意味が分からないという風に聞き返すと、 「この後、奈月と肉喰いに行くんだよ。もう約束しちゃったからな。」 と、富士が奈月の肩に手を回し、 「その後は、なあ」 と、意味深に奈月に笑いかけ、 「もうっ!」 と、奈月が少し恥ずかしそう頬を赤くしたり…… 「さっせるかぁァァァァア!」 と、撫子が富士に飛びかかる。 「危ないな。」 そう言って富士が危なげなくかわすと、撫子はそのままの勢いで前につんのめる。 ズザーっと景気よく滑った撫子に奈月が慌てて駆け寄り、 「ちょっと、ナディ大丈夫?」 と、声を掛けると撫子は泣きそうな表情を浮かべて、駆け去って行った。 その際、忘れずに富士を連れ去って行く辺りが流石は撫子と言った所だろうか。
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