第一章~Sweet Summer~

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本条に連れられて本条の家に着くと水を一杯出されて、 「それを呑んだら、シャワーでも浴びて適当に寝たまえ。卯月さん、何でもいいから着替えを用意してやってくれ。」 そう言ってさっさと寝室に引っ込んでしまった。 「では、こちらをどうぞ。」 と、開封されていない下着をワンセットとパジャマを渡された。 「脱いだ服はそのまま置いて下されば、お帰りまでにはクリーニングしておきます。」 と、こんな時間にも関わらず、本条家のメイドの卯月さんが丁寧に応対してくれた。 水を飲み終わったグラスを卯月さんに渡して浴場に入ると浴槽に湯が張られていて卯月さんの気遣いに感謝しながら湯船に浸かった。 回収しに来てくれたのが、富士だったら、こうはいかなかっただろう。 きっと撫子なら、「勝手にやってくれっス。自分は坊ちゃん以外のヤツの面倒を見る気は無いッスから。」とか言われて放置されていただろう。
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