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「そう言うことかもしれん」
「そんな呑気な事を……でも待てよ。そんなすごい二人が、何で日本の、しかもワンルームのアパートに住んでんだよ?」
「さあ、庶民の考えを知るためかなんかじゃないの?」
すました顔で、俺のコーヒーを飲む恵美婆さんを見て、一気に興醒めした。
でも、地球が蝕まれているか……
俺は窓の外を見た。遠くに見える工場の煙突からは、大量の煙が出ていた。
神様は、知恵の実を食べた二人を許さなかった訳ではない。でも二人は神の意志に背いて生き延びた。滅びるはずの人類が。
知恵の実は地球の記憶。神様の記憶……それを食べたら一体どうなってしまうんだろう。
その時、俺はふと、ある事を思い、麻耶ちゃんに聞いてみた。
「ねえ、このアップルパイに使ってあるリンゴって……」
「ええ。イヴさんから貰ったリンゴで作ったのよ」
やっぱり、そうか。
俺、神の怒りに触れなければいいけど……
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