201号室【未来から来たカップル】

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「そう言うことかもしれん」 「そんな呑気な事を……でも待てよ。そんなすごい二人が、何で日本の、しかもワンルームのアパートに住んでんだよ?」 「さあ、庶民の考えを知るためかなんかじゃないの?」 すました顔で、俺のコーヒーを飲む恵美婆さんを見て、一気に興醒めした。 でも、地球が蝕まれているか…… 俺は窓の外を見た。遠くに見える工場の煙突からは、大量の煙が出ていた。 神様は、知恵の実を食べた二人を許さなかった訳ではない。でも二人は神の意志に背いて生き延びた。滅びるはずの人類が。 知恵の実は地球の記憶。神様の記憶……それを食べたら一体どうなってしまうんだろう。 その時、俺はふと、ある事を思い、麻耶ちゃんに聞いてみた。 「ねえ、このアップルパイに使ってあるリンゴって……」 「ええ。イヴさんから貰ったリンゴで作ったのよ」 やっぱり、そうか。 俺、神の怒りに触れなければいいけど……
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