202号室【お迎えにまいりました】

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うう……腹が痛い。何か悪いものでも食べたか……? トイレに籠もりっきりの俺はうなり続けていた。 昨日食べた物を思い出す。コンビニ弁当に、ビール。さきイカに、昼に麻耶ちゃんにご馳走になった……アップルバイ…… いやいや、それはない。と、信じたい。 でも、もしかして、これが『知恵の実』を食べた者に対する神が下した罰か?もしそうなら、地味にキツい。 腹の痛みは更にヒドくなる。トイレに籠もって三時間。もう出るものも出ない。 干からびた俺の意識は朦朧としていた。このままトイレで死んでしまうんだろうか。ケツを半分出したまま、死んでしまうんだろうか。 そんなの嫌だ。 その時、誰かが俺の部屋に入ってきたような気配がした。 そして、トイレのドアをノックする。 いよいよ幻聴まで聞こえてきちゃったよ。 扉の向こうの声は言う。 「あの、202号室の者ですけど」
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