序章

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しばらくして忠勝は少年の寝る布団の枕元へいく 「その子は昨日の戦いで」 「ああ、あの村で唯一生き残った子だ」 「唯一ですか……可哀相に。たった一日で家族を失ったわけですよね。」 「我が、我達がもっと速く駆け付けておれば、この子は家族を失わなかったのだろうな……」 「忠勝様達のせいじゃないですよ、全てはあの空から来た怪異達のせいです。この子はこれからどうするつもりですか……」 「じつはな、何と言うか……我には子がおらんでの、この子を我の養子に迎え入れようと思うのだ」 「そうなんですか」 「この子は瓦礫の中から見つけだしたときに、あれだけの傷を負い死にそうだったが目だけは違った必ず生きようという者の目だった。こういう者は必ず強くなる。これも何かの運命この子を立派な武将に育て上げようと考えたのだ」 「差し出がましいようですが、私が一所懸命助けた子です。ですから武将にしようとするのであれば、何とぞ忠勝様のような東国無双の武将にしてやって下さい」 「もちろんだ。まあ、それもこの子の意志次第だがな」
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