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少年は頷くと、恋に問い掛ける。 それは、先週緋那にも問うた物だった。
「恋…さん達は、一体何で羽を集めてるんですか?」
少年の前を歩いていた恋が空を見上げる。 すぅ、と息を吸って、彼女は振り返って少年に言った。
「信じらんないかもだけどね。 あたし達、一回死んでるの。」
少年が息を呑む。 目を見開き、まばたきを二、三回すると少年は「……え?」と聞き返した。
信じられる訳が無いだろう。 一度死んだ人間がすぐ前にいる、など。 そして、少年の脳裏を過ぎったのは緋那の顔だった。
恋は「あたし達」と言ったのだ。 と言う事は、あの緋那も――
「だから、あたし達は死んだ人なの。 今は生き返ってるけどね。 でも、この命は仮の命でね? あの羽がないと、生きられないの。」
恋の説明は続く。
「あたし達を生き返らせた神さまが言うにはね、あの羽には奇跡の力が宿ってるんだって。 その力であたし達の魂はこの体と繋がってるの。」
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