一点目

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 活動の頻度、練習内容、朝練の有無など色々なことを草馬は尋ねた。  しかし、そのほとんどの質問に対する答えは「最初の部員たちで決める」というものだった。  完全に真っ白な状態からのスタートだ。これは野球部に限った話ではない。  「ありがとうございました、考えてみます」  坊主強制や毎日の朝練を鉄兵たちを説得する材料にしようという草馬の計画は脆くも崩れ去った。  溜息をつくような仕草をして立ち去ろうとする草馬に、鶴岡先生は最後に背後から声をかけた。  「野球部に入ったら、内申もちょっとオマケしとくわよ」
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