一点目

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 坂本が頭を掻いた。  「じゃあ次の人」  鶴岡先生が先程までよりやや明るい口調になった。  草馬は視線を坂本の隣に移した。  そこにはえらく小さい男子。百六十センチと少しほどしか無い身長を気にしてか、前髪を立てている。  「前野勇、十五歳です!」  場の雰囲気が凍りついた。   「……じゃなかった。笹山中学出身で中学では内野全部をやってました!」  自分の間違いに気付いた前野が慌てて言い直した。  笹山中学出身ということは大田と前野は同じ中学だったらしい。
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