一点目

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 幹が呆れ顔で千雛の横腹を小突いた。  「いてっ、……長千雛でーす。趣味はお菓子づくりでーす」  「そうなのか?」  「デタラメだ」  坂本が食い付き、鉄兵が正した。  「……野球経験はあるのかしら?」  担任の鶴岡先生は千雛がどういう生徒なのか知っているので、動じなかった。  「中学の時はテニス部だったもんで……」  草馬、鉄兵、幹、鶴岡先生、そして本人以外の五人は怪訝そうな表情をしている。  あまり良い印象を与えていないようだ。  (まあ、初対面じゃ面喰らうか……普通)  草馬は自分と千雛が初めて会った時を思いだし、一人納得した。
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