一点目

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 「ういー」  経験者の面々は手慣れた様子でキャッチボールをしていたが、幹と千雛の女子二人は投げるフォームすら知らず、二人は経験者たちの真似をしている。  「草馬、行くぞ」  鉄兵が草馬の胸に目掛けてボールを山なりに投げた。  草馬はそれを捕って素早く投げ返す。その繰り返しが続いた。  (……草馬? ……いや、だって草馬プロ野球好きだもんな)  鉄兵は草馬がきっちり自分の捕りやすいところにボールを投げてくることにいくらか疑問を持ったが、口には出さなかった。
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