一点目

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 「……受けるよ、その高校。艮さんの好意を無駄には出来ないし」  ハラは決まっていたが、わざとそんな言い回しをした。  気がつくと草馬は、幼馴染み三人と並んで桜の木の下に立っていた。  「ヒナ、顔の前でピースすんな」  「細かいことは気にしちゃいけないよ」  「オレの顔が隠れるんだよ!」  幹がやや強い口調で千雛に怒った。  千雛が生返事をして、仕切り直しになった。  「撮りますよ-、はい、チーズ」  眩しい光が四人を包んだ。  四人の肩や頭には桜の花びらが乗っかっている。
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