一点目

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 ざっと目を通してみたが、特に興味を惹かれるものはなかった。  一年生の教室にしか明かりの灯っていないこの高校では、部活の数も限られていた。  草馬は鶴岡先生が説明を続けているうちはその紙を眺め続けていた。  「部員五人と顧問の先生を見つけて届けを出せば新しい部活も作れるわよ」  鶴岡先生が教壇で頬杖をつきながらそう話していたが、それが終わると草馬は興味無さげに用紙を折って引き出しにしまった。  その後の休み時間、移動教室の準備をしようとしていた草馬に鉄兵が何やら話しかけてきた。  何を企んでいるのかはわからなかったが、鉄兵の表情は真剣だった。
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