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「はい、これで終わり!!んじゃ全員気をつけて帰れ!!」
先生のその言葉に全員は立ち上がって教室を後にした。みんな私のことなど気にする素振りも見せない。
中学生の時の延長。
そう思うようにした。
ただ違うのは清水くんがいるかいないかだ。
「おい、宮家」
私はうつむいていた顔を振り上げた。
私の名前……まだ清水くんしか呼んでくれてない名前!!
「せん、せい……」
「なんだそんな怖い顔して」
私は、自分の顔をどうにか変えようと頑張ったが、変えようとするほどに涙がこぼれそうになり我慢するために眉にシワを寄せた。
「お前なぁ……まぁいいけどよ……お前、宗太と仲良かったななんでだ?」
「あ、え……と……命を助けてもらって」
「あいつが?」
「はい……」
先生は少し考える素振りを見せ、そして私に満面の笑みを見せた。
「俺はよ、お前らは好きだぜまぁ何かあったら言えや!」
先生はそう言って教室から出ていった。
「えっ……」
私はどういうことか良く分からなくて、誰もいなくなった教室で少しの間席に座っていた。
すると教室のドアが開いた。
「うお!まだいたのか宮家」
清水くんだった。
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