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「清水……くん」
私は動揺して身動きがとれなかった。
「よう、なんでまだいんだよ?」
「あ、えっと……」
私は何か良い言い訳を考えようとしたのだが、やっぱり何も浮かばなかった。
「何か嫌なことでもあったか?」
「え?」
私は驚いた。
今日はよく驚く日だなぁ。
清水くんといると驚くことばかりが起きた。
「いやなんか眉にシワがよってるから何かあったのかなぁってよ」
清水くんは自分が蹴飛ばした机を直して、その机に座り私に向き直った。
私と清水くんの席は机3つ分ほど離れていたので清水くんの体全体が見れた。
意外に細身の体で髪がすこし癖毛が入っていた。
とても爽やかな自然な笑顔が輝いていた。
「こ、これは…………涙をこらえて……いる……のです」
私はうつむいて話した。
顔を見られたくなかった。
「くっ、くふっ、ははははははははははは!!やっぱ宮家は面白い」
また笑った。
凄く豪快に笑う人だなぁ。
「ははははー……はー……で、宮家はさぁ部活入らないのか?」
…………え、部活?
そういえば考えてもいなかった。この学校は確か、一年の内は絶対部活に入ってないといけなかったはず。
「し、清水くんは……何に入るの?」
私はちらっと清水くんの顔を見た。
「ん?んー………………………………そういえば決めてねぇな」
「ふっ……」
私は思わず吹いてしまった。
「笑った……」
私は、はっと気付いた。
久しぶりに笑えたような気がする。
そして驚いて清水くんを見ると清水くんも驚いたような表情をしていた。
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