純愛をしてみたい

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……。 こ、ここは…………屋上?……。 初めてきたなぁ……。 というより、扉の鍵勝手に開けても良かったのかな?……。 「あぁ、いいのいいの!私、鍵開けるの得意なの」 そう言いながら本庄さんは片手に持っていたピッキングセットを私に見せた。 得意なんだぁ……。 ん? んー……。 まぁ……いいのかな。 「で!」 「は、はい!」 本庄さんがいきなり私の目の前に人差し指を指してきた。 急な出来事に思わず声が裏返ってしまう。 「うだうだするのは嫌いだから単刀直入に言うけど!」 本庄さんの目付きが変わり真剣になった。 こ、これは何か重大なことを言われるんじゃ…………。 わ、私……何か……したかな?……。 もし、そうだったら「ねぇ?聞いてる?」 私……「おーい」 ……謝らないとなぁ……。 「……千夏ちゃん?」 「はい!」 「はい!いい返事です!………………じゃなくて!」 「ん?」 「やっぱり聞いて無かったのね……」 あ…………本庄さん何か言ってたの? わ、わわわ私!む、無視をっ「千夏!」 「はいぃ!」 本庄さんは私の肩をわしづかみした。 「聞いて」 「はい……」 蛇に睨まれた蛙の気持ちが少しだけ分かったような気がする。 「千夏は…………」 何を言われるのかと、心臓が張り裂けそうな程鳴っていた。 「大知のこと……好き?」
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