11人が本棚に入れています
本棚に追加
私は物珍しい物が目に入ったのでそれを手に取った。
「あ、それ!今日のおすすめ!」
「えっ……」
私の目の前にいたのは、金髪で耳と口と眉にピアスを付け、指には黒いマニキュア、顔には濃い化粧。
こ、怖いっ!
「は、ふぃ、ひぁ、ふゅ、ひゃ、ごめんなさい!」
ガン!!
「いひゃい!!」
私は頭を下げた拍子に木でできた机に頭を思いっきりぶつけた。
「もぅ……弥生(やよい)さん」
「どうしたんだ?この子、いきなり謝って……」
「弥生さん、自分の顔見たことありますか?」
「えっ……泣いていい?」
「いや、駄目です」
「私の顔かぁ…………うーん……もしかして怖い?」
「はい」
私は額を押さえながら、立ち上がった。
「大丈夫か?」
「大丈夫です!」
……思わず本庄さんの後ろに隠れてしまった。
「そんなに私の顔、怖い?」
「こ、こ、怖くないです…………」
「じゃあ、何故隠れる」
「ひ、人見知りです!」
「そ、そうか……じゃあまぁ、とりあえず自己紹介だな」
私は、本庄さんの背中から出てきて、うつむきがちで名前を言った。
「宮家 千夏……です、千の夏で千夏です……」
「千夏かぁ…………名前負けだな」
ピシッ
「私の名前は、桐原 弥生だ……よろしく…………て、どうしたんだ?」
「もぅ、弥生さん」
「ん?」
最初のコメントを投稿しよう!