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また、泣いてしまった……。
「泣くなよ……な?パンもう一個付けるからさ」
弥生さんは今日のオススメをもう一個くれた。
「あ、ありがとう!」
「食い意地ははってんのな」
「あ……」
「ごめんね、千夏ちゃん……この人ちょっとあれな人だから」
「え、泣いていい?」
「駄目です……」
とりあえず私は………………。
早くパンを食べたい。
「くっ……ぷっははははははははは!!そんなに食べたいか!?そのパン」
「え…………」
笑われてしまった……。
わ、私そんなに食べたそうな顔してたかな?
「じゃあもう、ここで食べる?」
本庄さんは、私に微笑みながら言った。
「え……でも……」
「いやいや、そんな輝いた目を向けられても……仕方ないなぁ……じゃあ弥生さんあそこ貸して」
「お、いいよ」
弥生さんは、売店のスタッフ専用部屋というところへ連れていってくれた。
「冷房暖房付きクーラー完備、冷蔵庫、ソファー、ベッド、テレビ、お風呂、パソコン、ゲーム、台所!!何でもあるぞ!!」
そう言った時の弥生さんの笑顔……とても、さっきの怖い時とは全く違う……とても、凄く……。
優しそうだった。
「何でもありますね……」
「弥生さんはね、24年間独身なんだよ」
「……」
何て言い返せば……。
「う、うるざぃ!わだじだってな゛ぁ!」
「はいはい、よしよし」
……。
へ、変な光景だよね、これ?
と、とりあえず……えっと……。
「い、いただきます」
「突っ込まない!?」
「スルー!?」
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