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「おい大丈夫か!!」
誰かの声がする。
「おい!!宮家(みやけ)!!」
や、やめて……頭に響くから静かに……。
「お、おい!!……チッ……しゃあないここは……人口呼吸……」
「起きてます」
「はっ!」
私は上半身をお越し体の異常なとこを探した。
一通り探して異常がないことを確かめて、私は立ち上がった。
目の前にいたのは短い黒髪の男の子だった。
「あ、あの……」
私は男の子と向き合った。私より頭一個ぶん高いその子の目は鋭く光怒っているように見えた。
「なんでさっき諦めたんだ……」
あぁ、さっきのバイクは夢じゃなかったんだ。
「助けてくれてありが」「そういうこと言ってんじゃねぇよ!」
私の声が一瞬で遮られた。
そして今度は何も言えなくなってしまった。
周りの通りずかる人たちが私達を見てはクスクス笑って通り過ぎた。
「……なぁなんでさっきバイクにひかれそうになった時諦めたんだ?」
男の子はさっきまでとは違い静かに諭すように話はじめた。
私は頭を巡らせて答えを考えた。でも何も浮かばなかった。
そして、何も言えない自分が情けなくて涙が出てきた。
「あ、おい…………」
「ご、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめ、んな……さい……」
私は少しの間涙が止まらず謝ることしかできなかった。
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