始まり

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俺は桐山 翔太郎。 極稀に生まれてくるといわれる『才能を持たざる者』、ドロップアウター一歩手前。 生まれたときはすでに周りの期待は無く、ただ腹にベルトのような痣があるだけの残念な子だった。 …俺にも夢はあったさ。 石ころを蹴飛ばし、呟く。 小さい頃テレビで見た仮面ライダー、正義のヒーロー。 「大きくなったら僕もヒーローになりたい!」 決まって大人たちはこう返す。 「お前には、そんな才能はないんだよ?」 あの頃は言い返せず、意味も良くわからなかったが今なら言える。 ファッ○!! そして決まって痣がヒリヒリする感覚を覚える。 痣すら才能がないと嘲笑うか… テメェの宿主は俺だぞ、クソッ。 溜め息を吐き出し、うつ向いて歩く。
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