死神、神無月の憂鬱

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「はい。…女性って何をされると嬉しいんでしょうか?」 「ん…、ああ、軋魅のことか」 「知ってるんですか!?」 ぼくが驚きを孕んで言うと、浅葱はぼくの言ったことに驚いたようで目を開く。 「知ってるも何も…シキさんが 言いふらしてたぞ」 課長……。 「それにmとか祐司が嬉々として叫んでたしな」 何をしているんだその3人は。 落ち着いたら報告しようと思ったのに…。 まあ、どうせ誰かにバレるだろうと思ってたけど。 「そうだなあ…。軋魅ならあんたがやること全部嬉しいんじゃないのか?」 「そういうもんですかねぇ…」 曖昧に返しながら珈琲を飲む。 苦味の効いた味が口の中に広がった。 「あら」 不意に声がした。 そちらを振り向くと一際派手な 格好をした、美人が居た。 回収課の命さんだ。 「命。仕事終わったのか?」 「ええ。今日は回収の仕事だったのでつまらなかったですが」 無表情且つ抑揚のない声で彼女は言う。 「なあ命。今女子って何をされると喜ぶのかって話してたのだが…あんただったら何が嬉しい?」 「そうね…。私だったら死体を」 「わかった、命に聞いた僕が馬鹿だったよ」 浅葱が頭を抱えた。
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