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「まあ、任務終わったら色んな奴に聞いてみようぜ! なんなら、帰りにどっか店寄るか?」
「そうですね…、自分の目で見た方が確実ですよね」
ぼくはそう返事をして頷いた。
女性が何を貰えば喜ぶかなんて
わからないからどういうセンスになるかわからないが…。
何分、親が親だ。
もしかしたらぼくも人と感覚が
ズレているかもしれない。
「おや、m嬢に……キミは…」
前方から声を掛けられ視線を向ける。やけに紫ちっくな男性。
回収課のギルバードさんだ。
「そうだ! 三日月君d「…神無月です」
やはり名前を覚えられていないかと少し落胆する。
ギルバードさんは男性の名前を
覚えるのがとても苦手だ。
「あぁ、それはすまなかった。
許してくれると助かるよ。
ところで、お二方はこれから仕事かい?」
「はい、そうです」
「まあな! 久々の狩猟だぜ!」
横でピョコピョコと喜ぶmさんを見て、ギルバードさんの顔が綻んだ。ここまで分かりやすいフェミニストも珍しい。
「相変わらずに灼熱の太陽の如き明るさの中の無邪気さ……そう、例えるならば分厚い皮に包まれたオレンジのように周りに明るい印象を振り撒きつつも実はその根底は甘さに満ちている…。
m嬢、キミは罪な女だ」
「何言ってっかわかったか?」
「3割くらいなら」
どこか恍惚としたように不気味な長台詞を言う。
全くもって意味がわからなかったのは心の内に秘めておこう。
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