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「まあ、要約すればキミは美しいということだよ」
「「要約、短っ!!」」
思わずmさんとハモる。
やはり考えは一緒だったようだ。
呆れつつも、ふと時計を見る。
……時間がヤバかった。
mさんもぼくの行動に気付いた様で小柄な体を伸ばして腕時計を
覗いて来た。
「やっべ! じゃ、ギルバード
これから仕事だからじゃあな!」
「失礼します!」
「おぉ、そうだったな。時間を
取らせてしまってすまなかったね
では、頑張ってくれたまえ。
いってらっしゃいm嬢、卯月君」
「おぅ、いってきます!」
「あの、神無月です…!」
最後の最後まで名前を間違える
ギルバードさんに小さく突っ込んでから人間界への門に向かって
全速力で走る。
息を切らせながら辿り着いて、
休む間もなくドアを引いた。
重厚な音が鳴り響き、暗闇が目の前に広がる。
それは、人間の心の闇を映し出しているかのようだ。
闇に足を踏み出して……
ぼく達の仕事は始まった。
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