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「松さんにはどうしたものかしらね?」
「日に日にボケも酷くなってきてるみたいですものね」
一人暮らしの松さんは、もう80を超えている。
いつの頃からか変人扱いされ、町内の厄介者になっていた。
いつの頃からか……
それは多分、ご主人が亡くなった半年位前からだと思う。
高齢で独り身。
訪ねてくる家族や親類もなく、
何かあった時の関わりを、みんな恐れているのだろう。
しかし私にとって、松さんは唯一の癒しの存在だった。
私は中学の時イジメにあっていた。
親や学校は、私の中にある[弱さ]を責め立てた。
高校で心機一転を図ろうとしたけど、
そんなに簡単に、
強くなんてなれなかった。
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