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少女が見つめる先には薄汚れた木製の看板が立っていて、その看板には黒のペンキで荒々しく“迷宮の森”とだけ書かれている。
「……やっぱり、ここはーー」
辺りは暗くなり始め、カラスが森の中から呼ぶかの様に気味の悪い鳴き声が木霊する。
冷たい風が頬を撫で、鳥肌が立つ。
少女が恐れる理由ーーそれは、この森が町の人に恐れられている森だからだ。
“迷宮の森”とはその名の通り、一度森に足を踏み入れた者は二度と帰ってこない、魔女の住む森とも言われている。
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