序章の続き

8/20
前へ
/24ページ
次へ
その日は始業式と自己紹介をして帰れた。 この後俺は特に用事はなく家に帰ることにした。 「それにしても、今年は桜すごいわねー」 「おあ!!」 「そんなびっくりしないの。えーと、健くん、だっけ?」 「そうですけど…」 駐輪場を目の前にして、いきなり横から長嶋先生が出てきた。 「なにしに来たんですか」 「何って…親睦を深めようかと」 「親睦を深めるために教室からここまで追いかけてこなくてもいいじゃないですか」 「いいの!!大人しく深められなさい。どうせ暇でしょ?」 「暇といえば暇ですけど…」 「やっぱり、先生も暇よ」 「仕事をしてください」 「う…せ、生徒とのコミュニケーションをとるのも仕事です!!」 「いや、今暇って言ってました」 「言ってない!!」 「それで実際何しに来たんですか」 「いやぁ、たまたま見かけてだねぇ、さっき暇そうだったから話かけちゃった」 「さっき?」 「自己紹介の時よ」 「なるほど」 「んじゃご飯買いにコンビニ行くから、じゃねぇ」 手を振る。意気揚々と去っていく先生も手を振る。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加