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校門を抜け駐輪場に自転車を留めて、鍵を閉めた。
すると横から
「よぉう健ー!!珍しいじゃねぇかこんな時間に!!もう8時半だぞ。いつもならあと15分ははやく着いてるんじゃないか?」
「そんなことない、もう10分はやくぐらいだな」
「そんな5分なんぞ変わんねぇって」
話しかけてきたのは中学から一緒にいた友達の久米一。
中学、高校とサッカー部に入っていて、俺とディフェンスをやっていた。
一が左で俺が右。
中学のサッカー部は弱小チームだった。
一は身体能力がずば抜けて高く、一年生の時点で既に準レギュラーだった。
俺は三年が引退した二年の夏にやっとレギュラーになれたが、人数が俺たちの代が少なかったので必然的になれた。
「なあ健、クラス割りみてきたんだがよぉ、聞きたいか?」
「あんな人混みの中に入ってまで見たくないからな、言えよ」
「なんと、健と俺…おんなじクラスになったんだぜぇー!!」
「おお、そうか」
「もっと喜べよ」
「どう喜べばいいんだよ」
「そりゃもう、ウオッッッッシャアアアアアアアってくら…」
一は何か痛い物を見るような目で見られている事に気付いた。
だって手を天に突き上げ、トリプルアクセルに近い回転数を回り奇声をあげているのだ。
正直距離を置きたい。
「んで何組だ」
「うわあああああああ」
「ちっ」
面倒な事に結局クラス割りを見に行かねばならなかった
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