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俺はいつの間にか放り投げていたスクールバッグを拾い上げ、学校へと走り
「待て!」
出せなかった。
「なんだよ。こっちはいろいろとヤバイんだ!早くしないと……」
パリンッ!
へ?
「ごめんなさーい。怪我はないですかぁ?」
俺のすぐ前に花瓶が落ちた。もし、あのまま走っていたら……そう考えただけで背筋が震え上がる。
でも、こいつが待てと言ってくれたことで大事に至ることはなかった。
にわにかは信じられない。 けれどそれが偶然じゃなかったとしたら、もしかしてこいつ本当に
「本当に宇宙人なのか?」
「さきほどそう公言したはずですが」
……なんてことだ。俺に起こるであろう危険を察知し、実際に俺を救出して見せやがった。
これを見せられちゃあもう信じるしかないだろ。
「ここで命の恩人たる、わたしからのささやかお願いです」
「ん?」
宇宙人からのお願い?到底俺には叶えられそうにないんですけど。
まさか、これから地球を侵略するから地球人の軍事秘密や戦闘力を話せとかか!?
それともその宇宙人と地球人で同盟を組もうとかか!?
「わたし、この地球に来てまだ日が浅いのです」
「は、はあ」
「よって、住まう場所も食事をとる場所も睡眠をとる場所もありません」
なんか、嫌な予感がしてきたぞ……。
「つ、つまり……?」
「あなたの家にわたしを招待してください」
な、なんだとぉ!?
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