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それにしても行くって
「あっ、俺担任。輪湖、よろしく~」
「あ、そうっすか。よろしくお願いします」
上條先生にあっかんべーでもしてやりたったが、会釈だけして職員室を後にした。
それにしてもこの人が担任だったのか。髪ボサボサだし抜けてるところありそうだけど大丈夫か?てかネクタイくらいつけろよ。
でも、この先生すげぇ背が高い。190以上あるんじゃないか?けど体格はあまりよくないな。ちゃんと肉食べてるのか心配になる。
「それにしても、落ちてくる女の子を飛び込んで救出するとはなぁ。なかなかやるじゃんか」
飛び込んで救出?なんでわかったんだ?もしかして見てたとか。
「あの、なんで……」
「なんでってそりゃお前、今日初めて着たような制服がそんなことになってりゃ誰にでもわかんだろ。
あ、上條せんせーはわかんなかったんだっけな」
そう言って笑った。
確かにボタンがとれ、肘の部分が破けてはいるがそれだけでわかるなんて、この先生実はものすごい人なのかも……。
「痛っ!わあっ!」
ゴロゴロ……ドン。
「大丈夫?」
輪湖先生が足を滑られたのか階段から落下した。
「ああ、問題ナッシングだ……」
いや明らか痛そうだし、Yシャツが汚れちゃってるよ。
「とにかく行こうか、赤鼻くん。みんな待ってるだろうし」
「誰がトナカイだ。あけはまです」
前言撤回だな。やっぱ、駄目だわこの人。
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