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「あー、食った食った」
「そりゃハンバーグにナポリタン、 オムライスまで食って、デザートまでしっかり食べたらな」
初めは俺がナポリタン、茜音がオムライス、悠真がハンバーグだったが、俺と茜音を見て食べたくなったらしく追加注文したのだ。
それでもすごい勢いでたいらげ、俺が食べ終わる頃には悠真も完食していた。
「ところで海斗は部活何に入るの?」
「おう、中学は何してたんだ?ぜひオレと一緒にバスケ部に!」
部活、か。
中学のときはどこにも入っていなかった。なんかこう、縛られるのが嫌いで。部活に入れば得られるものがあるってよく言うけど、俺は部活に入って失うものを恐れた。
だから、
「俺はどこにも入んないかな」
「そっか、海斗は恋愛に腕を入れるんだな。なるほどそれも悪くない」
ん?悠真、なんか勘違いしてないか?
「あ、なるほど。あたしはバレーで悠真がバスケ、で海斗が恋愛ね。うん、いんじゃない?」
「俺が恋愛ってどういうことだ、ったく。そういや、二人ってさ、さっきから気になってたんだけど」
互いを下の名前で呼びあってたし、すごく仲もいい。それって、つまり
「付き合ってんの?」
「なっ」
「えっ?」
あれ、もしかして的中?
「な、なぁに言ってんだ海斗。そんなわけ、そんなわけあ「あるわけないじゃん」
悠真が動転しているのたいして、茜音はそれを真っ二つに切り捨てたぞ。
「そっか?二人すげぇ仲良さそうだからついそうかと」
「やだなぁ、海斗。あたしたちは幼馴染みのお互いがただのスポーツバカよ?そんなわけないに決まってるでしょ?」
「そ、そうなのかぁ」
隣で心置きなく気を落としてるやつがいるんだけど、きっとこれは気のせいだな。うん、そういうことにしておこう。
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