54人が本棚に入れています
本棚に追加
ん?なんか足踏みが聞こえるぞ?
これってさっきのベランダからじゃ……
「あいつなにしてんだぁ!?」
俺が見たときは少女が部屋の中から走り込んできて、ベランダの手すりに片足をかけたところだった。
ふさっ
きれいな白と青の髪が宙でゆらゆら揺れ、きらきら輝く。
あいつ、
助走つけて飛び降りやがったぁぁあ!!
「うぉおおおお!!」
なんで俺が真新しい制服犠牲覚悟で、コンクリートの上をダイビングヘッドしなきゃなんねぇんだよぉ!
「うわっ!」
いってて……、今完璧破けた音した。
「おい、大丈夫か?」
この娘の体は地面にはついていない。全部受け止めた。まず怪我はないだろう。少なくとも俺よりは。
ゆっくり降ろしてやると、俺は制服の汚れを叩き落としながら立ち上がる。
肘のところ破けてるし。
あ、ボタンも一つとれてる。
少女は腰を地面に降ろしたままでいた。
「計算に多少の誤差がありました。でも受け止めていただかなかったとしても重症になる確率は0%。助けがなくても生還していました」
この女、一度殴ってもいいか?
これが少女の発した最初の言葉だった。
最初のコメントを投稿しよう!