1.空色の髪の少女

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「んで、どうしてあんなことしたんだ?」 相談に乗ってやるって言っちゃったしな。なんかよくわからん娘だけど話だけは聞いてやろう。 少女はすくっと立ち上がる。髪がふわっと揺れる。 身長はそんなに高くない。162の俺の肩くらいまでだから150くらいだろうか。 それにしても髪がすごくきれい。空の青と雲の白をそのまま投影したような、そんな感じだ。 俺を見る。でも焦点があってるかどうかはわからない。 「迅速かつ合理的に考え、建物と建物の間を移動経路として考えたのですが、助走距離と踏み込み、またその角度に誤差があり、結果的に墜落するということになりました」 この娘ばかなの? 「あ、ああ、そうなの。それで?そんなに急いでどちらまで?」 「目的はありますが、目的地はありません」 じゃあ、どこへの移動経路として建物と建物の間を選択したんだよ……。 「目的って?」 「それは極秘事項です」 どこの機関からやってきたんですか。 なんか駄目だ。とても俺の手には負えない。この娘いったい何考えてんのか……。 そういえば、名前聞いてなかったな。それくらいなら答えてくれるだろう。 「俺、朱浜海斗。名前は?それくらいはいいだろ?」 少女は考えるように目を伏せる。 澄みきった青い瞳。もしかしたらハーフか何かなのかもな。 「1C209E」 「いちしーにー……なんだって」 「1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E,1C209E…」 「わ、わかったから!1C209Eな。ほら言えてるだろ?」 「人の名前を一度で覚えられないなんて人間失格です」 駄目だ、やっぱり疲れる。 しかも1C209Eってなんだよ。この辺ではそういうのが流行ってるのか?
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