1.空色の髪の少女

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「で、本当の名前は?」 ぎらりと鋭い眼差しがとんでくる。 もしかして、怒っていらっしゃる?俺は何か悪いことでもしたでしょうか。 「1C……209E!!」 「うがっ!」 体が宙に浮かび、弧を描くように背中が反り返ってゆく。 あ、今日も空が綺麗だな。 ってそんなことはどうでもいい。 なんで朝から全力で走らされるわ、大声出させるわ、飛び込ませるわ、怪我するわ、制服破れるわ。 挙げ句の果てに、女の子から見事なアッパー決められなきゃなんねぇんだ……。 「っ、何すんだよ!」 「人のコードネームを間違えた制裁がくだったのです」 見事に肩から着地した俺は、制服についた汚れを払い落とす。 ん?コードネーム……? こいつ、本当にどっかの機関から来て、その被験体とか? 「お前どこから来、うがっ!」 「お前ではありません。1C209Eです」 二度も、こいつのアッパーを……。 「わかったから。で、どこから来たんだ?」 「地球を原点とし、21光年,586光年,784光年の座標位置からやってきました。知力の乏しいあなたにも分かりやすくいうと、つまり宇宙からやってきたってことです」 …………。 「はいいい!?」 宇宙?何言ってんだ?こいつ。 待てよ。宇宙からきたのが本当だとしたら、こいつは 宇宙人!? いや、ないない。そんなことありえない。 もう駄目だ。こんなの相手してると頭が混乱してくる。 「とにかく、1C209Eってのは呼びにくいから勝手に名前つけるぞ」 んー、どうしよっか。呼びやすさ重心か可愛らしさ重心か。 ま、深く考えすぎなくていいや。 「決めた。ソラ。これからはそう呼ぶからな」 あれ、アッパーが飛んでこない。ということはオッケーなのかな? 「じゃあソラ。俺には入学式という大事な……。 やっべー!完全に遅刻だ。もう入学式が始まってる!」
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