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「何ぃ!? そーか、やっぱりお前は昼間のコンビニのアイツか!
顔は分からんけど…」
「ふっふっふ…あの時とは置かれている状況が違うロボ!
ここでお前がオイラに抵抗したとして、一体誰が助けに来てくれるというロボか?」
「……!」
その言葉に、ナオキは腰を少し深く落として身構える。
ロボロボ団員はさっきの扉の奥から出てきたようで、ナオキから向かって右の壁際に陣取っている。
ナオキはそっと左に向けて靴の足裏を擦るように、足を肩幅に開いて…。
「メダロット転送ロボ!」
「…ちっくしょーい!」
ロボロボ団員が行動を起こした瞬間に、左の方に全速力で駆け出し、突っ切った。
1対1ならケンカで何とか出来そうな気がしたが、1対2になった上にもう一方はメダロットともなると、ナオキに勝ち目は無い。
「待つロボ! 今度こそ逃がさないロボよ!
ゴウカザル、お前も一緒に追うロボ!」
『ロボロボ ロボロボ』
ナオキは支柱を中心に時計回りに外周を走り、入り口から外へと抜けようとする。
「はぁ はぁ はぁ…。まっ、待つロボ…!
ここの事が世間にバレたら、幹部のブルゴーニュ様に叱られてしまうロボよ…!」
たった半周もしないうちから、ロボロボ団員の方は息が上がっていた。
「へっ、バーカ! 今にセレクト隊に通報してやるから、大人しくここで指をくわえて待って…ぶわっ!?」
ロボロボ団員を尻目に見ながら、ナオキはアカンベーと一緒に捨てゼリフを投げ掛ける。
…が、洞窟を突っ切ろうとした瞬間、その先から浮かび上がった人影と思いっきり正面衝突してしまった。
「い、痛いロボー…この洞窟は薄暗いんだから、慎重に歩けっていつも言ってるロボよ!
…あれ?」
「オイラがぶつかったんじゃ…ないロボ…!
ぜい ぜい…。そ、そいつは侵入者ロボよ!」
突如として、ナオキの目の前、洞窟の外へと出る唯一の通路に、更にもう二人のロボロボ団員が立ち塞がった…!
「げぇっ!? 新手が居たなんて…。うわっ!」
尻を擦りながらナオキが上体を起こしたところに、ロボロボ団員のメダロットが飛び掛かる…!
ナオキは足腰の力だけで、横っ飛びして側方へ転がりながら身をかわした。
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