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「せ、先輩…! この少女の相手をするのは、部長に叱られている時以上にキツいでありますよ…!」
「我慢するであります…、こうなったら情報を聞き出すまででも付き合って、その足で犯人の確保に向かうであります…!」
『隊員さぁーん、このお姉ちゃん、すっごく怖いよぉぉ…!』
セレクト隊員チームは、誰も彼も少女の威圧に気圧され、寄り添いながら身を竦ませてしまっている。
彼女という存在が、本当に嫌いなものに向ける空気の寒さは、ナオキと接していた時の比では無かったのである。
「そしてもう一つ! 私のこのメダロットが貴方達に勝ったら、補導の取り下げに加えて、VIP優待で篠更木町まで送って頂きますわ!」
見合う交換条件を挙げた上でそう言い放つ、彼女の瞳は己の自信によって満ちていた。
その勢いのままに、彼女のメダロッチからもメダロットが転送される…!
「まどか、貴方がリーダーをなさい」
『えぇっ!? わ、私ぃ…? う…うん。分かったよ…!
私、リューリちゃんの役に立てたなら…それだけで幸せなんだ、って…そう思えちゃうんです』
指名された直後に抜擢を受けて、おっかなびっくりという様子でオロオロと周りを見回す、少女型のメダロット。
ピンク地のドレスで、スカート部分は骨組みが入れられてフワリと浮き上がるようなフレアになっている。
まさに現代の「魔法少女」と言えるような可愛らしい風貌で、祈りを自身の力に変えるように、握った両手を胸元にかざした。
……しかし、なんとも、腕の部分だけがゴツい…。
いや、腕だけでなく、太股から足首に至る部分にも、後から増設したような装甲を装着している。
指先や足の爪先部分は元の少女のサイズに戻っているので、規格は合っていた。他のメダロットのパーツをバラして使っている訳では無いようだ。
「極限の可愛さと、愚直なまでの強さを追求した、私のメダロット…まどかタイタスですわ!
あぁ、まどか、貴方は何て愚かなの! 愚かわいいわ…!」
『えぇぇー…(紹介文が)派手すぎない?』
まどかは自身のメダロッターのテンションに、ドン引きした様子を見せていた。
「そしてもう一体…。こちらは数合わせですけれど…。
お爺様から借りておいて良かったと言うべきでしょうか…」
リューリと呼ばれた少女は、何故か気が乗らなそうな様子で二体目を転送する。
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