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左右に揺さぶるような軽快なステップでフィールドを駆けるゴウカザルの動きにナオキの動体視力が翻弄され、どちらから突っ込んでくるかが分からない…。
そのまま低い体勢から飛び込むようなアッパーカットを放ち、棒立ちのブルーフレームの腰のド真ん中に拳が打ち込まれた。
(対象に狙ってるメダロットだけを捉えているんじゃねぇ、メダロッターの目も撹乱させて、咄嗟の回避指示を出させないようにしてんのか…!
格闘が得意なメダロットにはこういう戦い方もあるんだな…)
ナオキは今という危機的状況においても、敵メダロットの動きを見逃さなかった。
…というよりは、敵メダロットの特徴的な挙動に思わず反応して、注目してしまったような感じである。
例え相手がロボロボ団員だとしても、パートナーと意志を一つにして繰り出すその攻撃には、普段から特訓をしてモーションの熟練度を上げているだろうという事が窺える。
対して、自分達はどうなのだろうか? まだお互いをハッキリ認識していないような段階で、なりゆき任せにロボトルなんていうのは、やっぱり無理だったのか?
「うぐ…」
その葛藤は、ナオキに羨ましさのような感傷を抱かせた。
ブルーフレームは 集中して待機している…!
(一定時間フォースチャージ、メダフォースゲージ+20)
ブルーフレームは 継続のダメージを受けている…!
脚部装甲 -4 (35/65)
ゴウカザルの なぐる攻撃 ファイヤー!
ブルーフレームに 直撃した!
ブルーフレームの 頭パーツに23ダメージ!
(頭部装甲 -23 32/55)
「うわ…!」
とうとうゴウカザルの攻撃が頭パーツに入ってしまった。
あれほど攻撃され続けていれば、いつかは頭パーツにダメージが通ってもおかしい事ではない。
だが、頭パーツを破壊されたメダロットは、例え他のパーツが残っていようと即機能停止となる。
本来なら他のパーツを犠牲にしてでも守らなければいけない部位だけに、機能停止への秒読みを認識して、ナオキは表情を青ざめさせた。
「ブルーフレーム…!」
大きく縦方向に一回転しながら地面を転がり、大の字に横たわるブルーフレームの元に、ナオキは急いで駆け寄った。
あくまで自称とは言え、ブルーフレームのメダロッターとして、唯一自分に出来る事を探しながら。
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