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「ブルーフレーム! もういいよ…まともに動けない状態でロボトルさせた俺が悪かった…。
だから…降参するよ、メダロッチも持ってないってのにこれ以上パーツを傷つけられたら、お前は壊れたままになっちまう…! それだけは…」
ブルーフレームの傍らに屈み込みながら、ナオキは惨憺たる思いで判断した結論を語った。
スラフシステムによるメダロットの自己修復は、メダロッチに戻してデータ化しない事には機能しないのだ。
いくらロボロボ団の尖兵にされるとは言え、今のままでブルーフレームに最後までロボトルをやらせてしまって、破壊されてしまったら元も子もないように思った。
だが……。
「うわ!?」
再び無造作に起き上がったブルーフレームは、ナオキの事など意に介さないように、擦れ違いざまに肩をぶつけてフィールドに戻っていく。
「おいっ…、ま…待てって!」
これではまるでブルーフレームが一人で戦っているようではないか。
メダロッチ無しでは、自分とパートナーと意志疎通を交わす事は出来ないのか。
メダロッターとして少しでも力になれる事はないのか。
フィールドに戻るブルーフレームの後ろ姿に声を掛けながら、ナオキは様々な思いを馳せた。
「人の話を、少しは…」
だが、フィールドに戻った途端に脱力して肩を落とす仕草が、かえって投げやりなように見えてくる。
ナオキの中で不器用にも配慮する気持ちが消え、何かがプッツンと切れた。
「動けぇぇぇ! このポンコツメダロットぉーーーッ!」
その叫びに鼓動するように、ブルーフレームのラジエーターから響く排熱音が大きくなる。
動力が伝達して肩が厳つく上がり、力を溜め込むように低く腰を落とし、地面を踏み締めた。
そして、バイザーに覆われた頭部をキッと上げ、カメラアイに鋭い光が灯った…!
『……!』
起動するなり、ブルーフレームは右手に持ったライフルを構えて、ようやくフィールドを駆け出す。
その初速は矢のように素早く、コマンドラインへと帰還するゴウカザルとの距離を一気に詰めていった…!
「あ、あいつ、動き出したロボ! すごく早いロボよ!?」
『ロボッ…!?』
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