第一章・前編

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「…うーん」 メダロッターと、そのパートナーが息を合わせて戦う姿。 それは例え初心者の荒削りな指示でさえ、情熱的な雰囲気を感じさせる。 いくら同じ家で暮らしているからと言って、果たして自分は将来的にKOS-MOSと意思を通わせる事は出来るのだろうか? まだ自分のメダロットになるかどうかは分からないが、じーちゃんとKOS-MOSの仲を見ていると、水を差してはいけないようで…しかし喉から手が出そうなほど羨ましく思うのだった。 「やめとけよ。爺さん達が手放すまで待ってたら、そのうちにメダロットのブームが終わっちまうぜ」 「……カズトか!」 ふと、ナオキが顔を上げると、お向かいの家の二階から、同じようにロボトルの様子を覗いていた少年と目が合った。 「諦めが肝心な事だって…ある…!」 「そういうお前はどーなん?」 「同じ事を二度も言わせるなよ」 演技掛かった仕草で目元を手で覆い、顔を伏せるので、ナオキは思わず吹き出してしまう。 彼は「城崎カズト」。ナオキの幼なじみであり、クラスメイトであり…そして、同じく近所のトラブルの影響を受けている被害者だった。 「爺さん達がこんなじゃ、親がメダロットを買ってくれる訳ないだろう」 「あー、まぁね…」 「それに、見ろよ。また上手いこと引き分けになりそうだ」 「えぇ?」 T-elosの ねらいうち攻撃 ライフル! KOS-MOSの 右腕パーツに 30ダメージ! (右腕装甲 機能停止 -30 0/30) 『っ……』 「案ずるでないわい! 彼奴は、ねらいうちを行った後で回避行動を取れん…! 今こそ全力を撃ち込んでやれぃ!」 『了解です、テッチャン。DRAGON・TOOTH起動、行きます』 KOS-MOSの がむしゃら攻撃 ソード! T-elosは 右腕で防御した! T-elosの 右腕パーツに30ダメージ! (右腕装甲 機能停止 -30 0/30) 別のパーツに貫通した! T-elosの 左腕パーツに7ダメージ! (左腕装甲 機能停止 -7 0/30) 別のパーツに貫通した! T-elosの 脚部パーツに10ダメージ! (脚部装甲 -10 8/45)
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